約 1,500,695 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3626.html
誘拐と人食い 11 薄暗い下水道の奥深く 食料が潤沢な折に、肉を腐らせないように生きたまま保存しておくための檻がそこにはあった 「お前の契約している都市伝説を取り込めば、我々は地上で堂々と、だが誰にも見付からず咎められずに繁栄を謳歌できるのだ」 「……のーさんきゅー」 ぷいと顔を背けるπ-No.1 「つれない事を言うな、我が娘の一人よ。これから家族として我らに取り込まれるのであれば、過去の裏切りなど水に流してやろうではないか」 「ごーほーむー」 「ははは、ここが我らの家なのだがな? まあ今のところは引っ込むとしようか。お前の『インヴィジプル・ピンク・ユニコーン』を我らが一族に取り込む方策は既にあるのだからな」 満足げに笑いながら、牢を後にする『ソニー・ビーン』 残されたπ-No.1の周囲には常に子供達が座り込み、逃亡や救出に備えていた さほど広くないこの空間、例え居場所を確認してテレポートの類で飛び込んできたとしても、少人数ではこの子供達を退ける事は出来ないだろう π-No.1は傍らに佇む姿の見えないピンク色のユニコーンに、契約を解いて離れるよう念を送ってみたが 首を振って頬に鼻先を擦り付けてくる気配だけが返ってきた 彼女はこのユニコーンに取り込まれる事で『ソニー・ビーン一家』でありながら黒服として存在を維持している その結びつきは強固であり、それを解くという事は彼女のほぼ全てをユニコーンに持っていかれるという事である 黒服が都市伝説存在を無理矢理引き離せば、その存在は消滅するだろう もし、彼が 自分が囚われている事で『ソニー・ビーン一家』の殲滅作戦を躊躇うようであれば 己をこの世界から抹消する事で、その後押しをしなければいけない 「さーちあんどですとろーい」 π-No.1こと、ポーラ・フェニックス 『ソニー・ビーン一家』として名前の無かった彼女に、π-No.0が付けた名前 その名前を抱いて消えていけるのであれば、それだけで充分だと 静かに覚悟を決めていた ――― 「いやーまいったまいった。鼻がバカになるよね、下水道にずっと居ると」 汚水で汚れた服を着替え、いつもの黒服姿に戻ったπ-No.0 いつも傍らにいるはずのπ-No.1の姿が見えない事に、周囲の黒服は微妙な違和感を覚えていた 「あ、もしもし、僕でーす。例の契約者や都市伝説の手配どうにかなりそう? うん、できれば速攻で仕掛けるから」 『ソニー・ビーン一家』が下水道に潜んでいると判った時点で、彼らを全滅させる手として水責めを計画していた 直接対峙する事が無ければ、人数差を認識させず無敵能力を発揮させる事も無い 水を操る都市伝説や契約者の力で彼らの巣ごと水流で押し流し、死体も物資も生き残りもまとめて一箇所から排出して一網打尽にする 最悪でも家長の『ソニー・ビーン』さえこれで仕留められれば、これ以上増える事も統制の取れた襲撃をされる事も無くなる 「あいつもね、彼女ごと殲滅しに掛かってくるとは考えてないと思うから。できるだけ早く仕掛けたいからよろしく」 ぷつりと通話を切って、大きく溜息を吐く 「……ま、お互い覚悟の上だし。奴らを仕留められるだけ上々って事かな」 いつもなら、そこで一言可愛らしい声がついてくるのだが 『組織』内を行き交う黒服達の声や足音だけが、やけに耳につく 「一人って、やだね」 そう一言呟いて π-No.0こと、ピーター・ペインは作戦を進めるべく活動を開始した ――― 学校町と隣町の境にある、寂れた喫茶店 その奥の席に座るサロリアスと『人攫いサーカス』の団長の姿は、どう見ても闇金の取り立てと債権者といった雰囲気である 「奴は本当に来るのか?」 「そればかりはなんとも……横も縦も繋がりが希薄、それぞれ自己責任がうちの組織のモットーですんで」 ひっきりなしにハンカチで汗を拭いながら、へこへこと頭を下げる団長 「いやもう来てるんだけどね?」 隣の席で新聞を読んでいた青年が、ばさりと新聞を畳んで笑顔を浮かべる 「時間通りに来るとか、なんか悪っぽくないからさ」 「そんな理由で人を待たせるんじゃねぇ。またシメられたいのか」 「んー、それは恐いなぁ」 へらへらと笑いながら、がたりと席を立ってサロリアスの向かいに座り直す青年 「そこの彼も言ってるけど、うちの組織って自己責任なんだよね。電脳の二人組は入ったばっかりでお約束が伝わってなかったみたいだし、そこの彼は知ってて勝手にやっちゃったわけだし」 「仮にも結社を名乗ってんだ。管理責任はあるだろうが」 「そうは言われてもなぁ。別に代表とかいないし、うちの組織。この場にも、古株だからとりあえずぼくが顔出しただけだよ」 肩を竦ませ、やれやれといった調子で苦笑を浮かべる 「うちの組織を壊滅させたいなら好きにしたらいいさ。ぼくは逃げるけど」 「昔と変わらずやる気がこれっぽっちも無ぇな」 「ぼく、他人に全然興味とか無いから」 「一度くたばっとけ」 「やだ」 ぴりぴりとした殺気とゆるゆるとした気だるさがぶつかり合い、間に挟まれた団長は小さく縮こまっている 「まあ、アレだよね。ぼくらって基本的に悪い組織なわけだし。通知は改めてやるけど、聞かない奴がいなくても知らないよ?」 「その時は潰す。何をされても文句を言うなよ?」 「ぼくらのやってる事自体、文句も有無も言わせないしね。やらかしてるのがバレた奴に何されても文句は言わないよ」 そう言って青年は、ちらりと腕時計を見る 「銀行閉まっちゃうから、こんなとこでいい?」 「遅らせたのは手前ぇの都合だろうが。大体犯罪者が銀行に何の用だ」 「ぼく子供が学校町にいるんだよね。特に親らしい事はしてないけど生活費だけは入れてるんだ」 「人間の子か」 「うん、女の子。別に野垂れ死んでもいいんだけど、お金を使うアテがあるとやる気が出るから飼ってるの」 「攫ったのか?」 「んや、人間の女に産ませたの。ぼくと似た者夫婦で、子供とか全然興味なしで産むだけ産んだら仕事しにどっか行っちゃった」 「やっぱりロクでもねぇな、手前ぇらは」 「うん、よく言われる」 笑顔でそう答えて、伝票を持って席を立つ青年 「じゃ、銀行いってから帰るから。遅らせたお詫びにここの支払いは持っておくよ」 伝票をぴらぴらと振りながら会計に向かう青年を睨みながら、サロリアスは舌打ちする 「相変わらず食えねぇ奴だ……あいつの頭ん中はどうだった?」 「概ね言ったまんまっスね」 青年が座っていた更に向こうの席、いつもの黒服姿ではない上品なスーツ姿の梨々が眉を顰めながら呟いた 「通知をちゃんとやるってのも、子供の話も全部本当っス。何度覗いても嫌な精神構造してるっスよ、あいつ」 綺麗に整えられた髪をくしゃりと掻き回し、サングラスを掛けいつもの顔つきになりながら、梨々はサロリアスの隣に座る 「子供はほったらかしらしいっスけど、あれに育てられてないってだけでちょっとほっとするっス」 「どっちにしろ不憫なもんだがな。まともに育ってりゃ良いんだが」 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/wiki15_you/pages/101.html
サクリファイス 作者:猫美和音 登場作品:「ERYTHROS」 紹介文: ヨーロッパ軍の女中尉。レトロヴィールスの娘。 本名はアナスタシア=キッシンジャーでサクリファイスはコードネーム。 親娘揃っての変態でサド。 戦闘狂でもありよくバトルを囃し立てるが、 其れ以上に変態であり方々でセクハラを繰り返す。 最近は少し大人しくなってきた気もする。 さしてツンデレではないがエーガとのフラグを立てるときも間々あり、 その際は随分な乙女ぶりを発揮する都合のいい女。 その中には本心での女性的な面もあるようだが、 エーガとの関係に至るまでにまだ理由があるようである。 現在はサッパリではないもののエーガとの関係は切り捨てている。 「ERYTHROS」作中では、 ヨーロッパ軍の軍人として主人公たちの援助、指令を出すが……。
https://w.atwiki.jp/etakuro/pages/18.html
サクリファイ(Sacrifi) 耐久:D 出力:D 範囲:E 聖剣の歴史の最初期に活躍したとされる聖剣。 「犠牲」という名がついているように、ソイリスだけでなく行使者の生命力をも捻出していたと伝えられているが実物に関しては別にそんな事は無い。 名前が名前だけにやたら華々しい逸話に事欠かないが、史実では味方の殺傷数の方が多かったりするという事実を知る由はもう無い レプリカ 耐久:D 出力:C 範囲:E 名前と根も葉もない伝説ばかり有名なこの聖剣はのちに機械学だけで再現された。 性能自体はオリジナルよりも明らかに上回っているが、行使者の生命力を吸わないことから存外に価値は低く、素人が道楽気分で飾るような骨董品になり下がった。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/46251.html
【登録タグ 曖昧さ回避】 曖昧さ回避のためのページ いたちまPの曲サクリファイス/いたちまP AsteRhythmの曲サクリファイス/AsteRhythm 曖昧さ回避について 曖昧さ回避は、同名のページが複数存在してしまう場合にのみ行います。同名のページは同時に存在できないため、当該名は「曖昧さ回避」という入口にして個々のページはページ名を少し変えて両立させることになります。 【既存のページ】は「ページ名の変更」で移動してください。曖昧さ回避を【既存のページ】に上書きするのはやめてください。「〇〇」という曲のページを「〇〇/作り手」等に移動する場合にコピペはしないでください。 曖昧さ回避作成時は「曖昧さ回避の追加の仕方」を参照してください。 曖昧さ回避依頼はこちら→修正依頼/曖昧さ回避追加依頼
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3452.html
誘拐と人食い 05 檻の中に閉じ込められた少年少女は、風船を手にしたまま一人ずつ連れ出されていく テントの奥にある『人攫いサーカス』団長に素養を吟味され、最も適した部署に配属される そしてじっくりと訓練期間を経て、この都市伝説に呑み込まれてその一員と化していくのだ 「問題はこいつだな」 猛獣使いの男が檻の中に座り込んでいるまぐろを眺めながら首を傾げる 「まあ都市伝説だって私達は簡単に呑み込める。だけどねぇ目ん玉無いのは客の前に出すのには困るわね」 軽業師の女が扱いに困ったように首を振る 「見世物にするにも目ん玉が無いだけじゃあねぇ」 「お前、何でこいつにまで風船渡したんだ?」 猛獣使いの男に睨まれて、道化師の男は身振りだけで返事をする 「あん? 風船が欲しそうだったから? だったら普通の風船を渡せよ……ああ? 間違えた?」 何処をどう意味が通じているのか判らないが、意思疎通はできているらしい 「まあどうするか決めるのは団長だけどよ。扱いに困らなきゃいいんだが」 「ま、この風船があるうちは何の抵抗もできないわよ。あなたの猛獣達の餌でも、下っ端の性欲処理でも、使い道はいくらでもあるわ」 「おいおい、うちの子達がいつも人間や都市伝説を喰ってるみたいな言い方はよせよ」 猛獣使いの男は苦笑して、背後に控えるライオンや熊に視線を向け 「果物や野菜が好物な象とかもいるんだぜ?」 誤魔化すように笑顔を浮かべていた ――― 『スーパーハカー』と『闇プログラマー』の二人は、殺風景な電脳空間に不釣合いな巨大な装飾ベッドの上に転がり その傍らには様々な拘束具を試すかのように無理矢理着けさせられた『橘あゆみ』が気を失って倒れていた 「そろそろ飽きたなー」 「エロい事は一通りやったし、これからどうする?」 「とりあえず撮り貯めた映像はP2Pで流そうか」 「個人情報ぶっこ抜くウイルス仕込んで?」 「そりゃ勿論。まあちゃんとエロ動画自体は見れるようにはしとくけどさ」 顔を見合わせてげらげらと笑う二人 そんな二人の元へ、あゆみのメッセンジャーソフトがメッセージの着信を告げる音を鳴らす 《よう、糞餓鬼ども》 メッセージの発信者は、音門金融の元締めことサロリアス・サジャス 表情こそ落ち着いているものの、その雰囲気から怒気が溢れ出ているのが通信越しにも判るほどだ 「おやおや、まだ何か用?」 「俺らは伝える事は伝えたし、別にもう用事は無いんだけどさー」 面倒臭そうに応える二人に、サロリアスは怒気を押さえ込んだ静かな口調で語る 《こっちの面子の問題だ。金貸しってのはな、舐められたら終わりなもんでな》 「ははは、それでどーすんの? この女の頭弄くって調べがついてるけどさ、あんたの能力じゃ『電脳空間』に干渉できないだろ?」 《まあな。俺が出来るのは『仕事の仲介』だけだ》 そう言うとサロリアスは、ポケットから手のひらほどのサイズのプラスチックの物体を取り出す だらりとケーブルが伸びたそれは、何かボタンのようなものがいくつか付いている 「ははっ、何それ? ミサイルかなんかでも発射できるの?」 《ミサイルじゃあねぇが……砲撃はできるな》 ちらりと腕時計に視線を落とし 《時間だ》 「へ?」 「何が、っ!?」 サロリアスが呟いた瞬間、凄まじい重圧が『電脳空間』に襲い掛かる 指一本すら動かせない凄まじい負荷に、声すら出せずに動けなくなる二人 《『中国人民波動砲』ってのを知ってるか? 中国人が一斉にジャンプすれば、地震と津波で日本どころかアメリカをも壊滅させるってな》 「そ、んな、も、の、がっ……なん、で、でん、の、う、くう、かん、にっ……」 《アホか、それを直接そこにぶち込むなんて真似が出来るか。俺はその都市伝説契約者に『これ』を使わせただけだ》 先程の、ケーブルとボタンのようなものを見せる 《お前らがいるような場所への攻撃に特化した、『韓国のキーボード』だ》 本来なら、そんな機能ではキーボードとしては認識されるはずもない、Ctrl、Alt、Del、そしてF5キーだけが付いたキーボード 「うごっ、け、なく、しただけ、でっ……何、が、できるっ……!」 《お前らを一瞬でも動けなくさせれりゃ、充分なんだよ》 おおよそ一分程だっただろうか それまで発生していた重圧が解けたその瞬間、電脳空間から『橘あゆみ』の作り上げたスペースを隔離していた障壁が一瞬で崩れ去る 「おやおやいけませんねぇ……セキュリティがなってませんよ? ウイルス対策ソフトはちゃんとお使いですか?」 崩れ落ちた障壁の向こう側に、営業スマイルを浮かべたスーツ姿の男が立っていた 「誰だ手前ぇっ!? 今何を――」 その男に即座に攻撃をしようと振り上げられた『スーパーハカー』の右腕が、塩粒のようになってぼろぼろと流れ落ちるように崩れていく 「セキュリティがきちんとしてないから、ほら。『カスケード』なんていう古い古い、化石みたいなウイルスにもやられるんですよ」 スーツ姿の男、『コンピュータウイルスはセキュリティ会社が作っている』は、ポケットから古めかしいフロッピーディスクを取り出しながら薄ら笑う 「あ、ああああああああ、があああああああああああああああああああああああああAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaa」 腕が崩れ落ち、そのまま肩が、首が、顎が、頬が、じわじわと、じわじわと崩れ落ちていく 崩れ落ち零れたものを必死で掻き集め、再構築しようと足掻く『スーパーハカー』 「くそっ、今助け」 それを助けようとした『闇プログラマー』の身体が、再び動きを止める 「くくく、甘いなぁ」 「お前らがエロい事をしてる間に仕込みはばっちりだぜ?」 「うはwwwwwっをkwwwwwwwwwwwwwww」 「こんな隙を見せてるとは。『スーパーハカー』と『闇プログラマー』の面汚しめ」 「だが奴らは我らの中では一番の小物……みたいなっ」 男女様々、総勢数十人にも及ぶ集団が、二人を取り囲んでいた 「なっ……まさか……」 《『スーパーハカー』や『闇プログラマー』が、自分達だけなんて思い上がった事でも考えてたのか? やはり若造だな手前ぇらは》 二人を取り囲んでその動きを拘束しているのは、世界中から集められた『スーパーハカー』と『闇プログラマー』達 それをここに導いた『コンピュータウイルスはセキュリティ会社が作っている』が、大袈裟な動きで嘆きを表現する 「こんな簡単にトロイの木馬が仕込めるようではいけませんねぇ、実にいけません」 《金は掛かったがな、全員俺が雇った傭兵だ》 「こんな、何処にでもいるような、実体も無い都市伝説の女一人を助けるために!?」 《二度も言わせるな……金貸しの面子を潰そうとして、タダで済むと思うなよ》 「いやむしろ面子だけで、俺らたった二人を潰すためだけに、こんな出鱈目な戦力を集めるか!?」 《敵は徹底的に潰す、それだけだ》 そこでぷつりと通信が途絶え 動けない『闇プログラマー』の眼前に『コンピュータウイルスはセキュリティ会社が作っている』が、フロッピーディスクを突きつける 「何事も程々に。そんな教訓を込めてこれを差し上げましょう……『モリスワーム』です」 ぱきん、と フロッピーディスクが弾けたかと思うと、『闇プログラマー』の全身から小さな蟲が身体を食い破って溢れ出す 「ひぎぃあああああああああああああああああああああああああああ!?」 既に塩の山のようになった『スーパーハカー』の横で、己の内から湧き続ける蟲に喰らい尽くされる『闇プログラマー』 「あれ、もう終わり?」 「まー俺らが押さえ込んでたんだし当然だろ」 「これで一人頭の報酬はあんだけ出るの?」 「ボロ儲けwwwwwwwwwwwwwww乙wwwwwwwwwwww」 「そういやそこのレ○プ目の女の子はどうすんの?」 「ついでに直しとく?」 「じゃあ俺がやっとくか」 「いやいや僕が」 「それなら私が」 「どうぞどうぞ」 「というか女の子がやれよ」 「いいよー、それじゃあ誰かお風呂作ってー」 「覗いて良いなら!」 「ふざけんな」 「そうだそうだ、お前らハッカーなら自力で覗き穴作れ」 「抉るぞ」 「何を!?」 わいわいと『橘あゆみ』と彼女が居た空間を再構築していく数多の『闇プログラマー』と『スーパーハカー』達 『コンピュータウイルスはセキュリティ会社が作っている』はそんな彼らに一礼して、携帯電話を片手にその場を去っていく 「もしもし……ええ、ご依頼の件は片付きました。今後彼女に悪意を持って近付いた者に作動するロジックボムを大量に仕込んでおきましたので。今後とも当社のセキュリティソフトを宜しくお願いします」 ――― 髑髏を加工して作ったランタンを手に、下水道を徘徊する集団 食料を求めて活動中の『ソニー・ビーン一家』の子供達である つい先日、下水道に入り込んできた謎の軟体生物を煮込んで食べた彼らだが、別段何事も無かったかのように元気である 生まれた時から下水道暮らし、不衛生など当たり前の生活をしている彼らの免疫力は半端ではなく、悪食ここに極まれりといった様子だった 「チズ、ツクル。ニクトレルデグチ、タクサンシラベル」 「タマニカッテニオチテクル」 「デモ、アブラクサイドロドロ、アレハイラナイ」 「オイシクナカッタ」 「クサカッタ」 「アレハモウヒロワナイ」 「サンセイ」 「ヤワラカクテオイシイニクサガス」 「イッパイアツメル、トリブンフエル」 「アタラシイデグチミツケタ」 「シズカ」 「ニオイスル」 「ニンゲンジャナイ」 「トシデンセツ」 「デモ、オンナ、ヒトリ」 「オイシソウ」 群れの中の一人が、全く音を立てずに縦穴をするすると登っていく 気配を確認しながらマンホールの蓋をそっと押し上げ、隙間から獲物の様子を静かに窺う そこにマンホールから少々離れた辺りで電話をしていた黒い服の女を見付け、指を折り曲げて下に控える子供達に作戦を伝えた 下に控えていた子供達は、即座に現在位置と獲物の位置を把握して散開し、周辺の別のマンホールの位置を確認していく 全員で一つの生命体であるかのような、昆虫じみた統制力 それがこの都市伝説の最も恐ろしい部分であった ――― 「ういす、社長の方は片付いたっスか」 《落とし前はしっかり付けさせてもらった。次に何かやらかしやがったら……『誘拐結社』ごと潰してやる》 「物騒な話っスねぇ。まあ社長がやるんなら止めやしないっスけどね」 サロリアスと電話をしていた佐藤梨々 その表情が、ふと強張る 「社長、『誘拐結社』の連中はもう何も仕掛けてないんスかね?」 《さあな、面倒だから理由でっちあげて潰しちまうか》 「もしかしたら、でっちあげる間もなく理由ができるかもしんねっス」 《……どういう事だ》 「すんません、電話してる余裕無くなりそうなんで切ります。なんかもう囲まれて」 ひゅん、と 空気を切って飛んで来た、人骨を削り出して作ったブーメランが梨々の立っていた場所を正確に切り裂く その攻撃を既に読んでいた梨々は、ブーメランを無視して即座に前へ跳ぶが 「うぉっと!?」 ブーメランを避けた位置に叩き込まれたコンクリート製の石斧が、アスファルトを抉る 辛うじて避けた先に、即座に飛来する投げナイフ 「ちょっ!? どう避けてもその先に攻撃の仕込みがあるとか、んな無茶な!?」 この場にいるであろう敵の数はおよそ12人 梨々が思考を呼んだところ、その全員が獲物を確実に仕留めるための無数の手順を把握しているのである 「相手のっ! ミスをっ! 期待するしかっ! ねっスかね!?」 思考が読めるためになんとか攻撃を避け続ける梨々 読んだ思考を全て把握して、『詰み』になる手だけを避けるべく必死に避け続ける 「って、こっちヤバっ!?」 思考を読んでいても、それに正確に対応し続けられるかは別問題である 握りに布を巻きつけた大腿骨の棍棒が、梨々の後頭部を直撃した 「だっ、あがっ!?」 一瞬視界が真っ白になり、全身が痺れたように動かなくなる その一瞬を取り戻した時には 様々な得物を手にした『ソニー・ビーン一家』の子供達が、飛び掛ってくるのが見えており その攻撃範囲から逃れられない事を、彼女は悟ってしまっていた 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/ifsatisfactiontown/pages/63.html
融合モンスター 星5/水属性/魚族/攻2100/守1300 「シーカーメン」+「キラー・ブロッブ」+「海原の女戦士」 特筆すべき事も無い効果無しの融合モンスターであり、 一般的なインフェルニティでは採用される事は無い。 このカードを見掛けるのはループ型のインフェルニティであり、 そこでは簡易融合から呼び出され、インフェルニティ・リベンジャーと共に 氷結界の虎王ドゥローレンへのシンクロ素材として用いられる。 効果を持たないという点を利用し、一度氷結界の虎王ドゥローレンの素材として墓地へ送られた後は、 ダイガスタ・エメラルの効果で何度も墓地から特殊召喚され、シンクロ素材として過労死させられる。 深海に潜むサメとの差はない。こちらの方が攻撃力が200高いがそれが影響する場面は極めて少ない。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3619.html
誘拐と人食い 07 突然聞こえてきた悲鳴に、顔色を変える『人攫いサーカス』の団長と軽業師の女 「何があった」 サロリアスが問うと、二人が答える前に梨々が耳打ちする 「こいつら、サーカスの敷地内で起こった事は感知できるようなんスけど。敷地の地下から奇襲されてるようっス」 「奇襲だと? 『組織』の連中か」 「違うっスね。例の『ソニー・ビーン一家』っス」 今思えば、『ソニー・ビーン一家』の事を伝えたπ-No.0の反応 『ソニー・ビーン一家』の子供達が倒されていたという話に、あからさまに動揺を見せていた 「あいつら、狩りをして増えやがるのか」 「視界に入ってきたところを読んでみない事にゃ、詳細はわからねっスね」 「そりゃ襲われる時だな」 そうこうしているうちに、ばたばたと一行の元へ逃げ込んでくる一人と一匹 「あれなんなんですか団長!? 事務室行ったらえらい事になってましたよ!」 全身傷だらけの猛獣使いの男が、同じく傷だらけのライオンに引き摺られるように現れる 「ワシだってわからんわい!? というか鍵はどうした!」 「敷地内の様子は団長も判るでしょう、逃げるので手一杯に決まってんじゃないですか! 無茶言わないで下さいよ!」 ぐったりと座り込むライオンを労うように撫でながら、半泣きで叫ぶ猛獣使いの男 そんな彼の後ろにふらりと現れた、服がぼろぼろになった道化師がじゃらりと鍵束を取り出した 「お前、あの状況でよく持ってこれたな……なに? 逃げるのとどさくさに紛れるのは得意? 自慢になんねぇけど良くやったよ」 道化師から鍵束を受け取ると、それを持ってまぐろが閉じ込められた檻にばたばたと駆けていく団長 「余計な事をやらかすんじゃねぇぞ?」 「今の状況でそんな事考えてられますか!? うちのサーカス団はほぼ全滅です! 逃げるにせよ何にせよ、一人でも戦力増やさないとどうしようもないでしょう!」 未だに警戒の色を解かないサロリアスに、団長は悲鳴じみた抗議の声を上げる そうこうしている間に鍵は開けられ、風船を握ったままぼんやりとしたまぐろが檻から解放される 即座に大が駆け寄るが、まぐろはぼんやりとしたまま浮かぶ風船を見詰めている 「風船を手放させればいいのか?」 「放したがらないでしょうし、割っちゃいましょう」 確かに、風船を取り上げようと握った指をこじ開けようとするが、それを嫌がるように都市伝説の怪力で手を握り締めてしまう 団長が目配せすると、軽業師の女が見栄えの良い大振りなナイフを取り出し、風船目掛けて投げ付ける ナイフは正確に風船のど真ん中を打ち抜いて、軽快な破裂音の後に檻に命中し 刺さる事も弾かれる事も無く、切っ先をぴたりとくっつけるかのように一瞬静止し、ぽろりと地面に落ちて乾いた音を立てる 「それも都市伝説捕獲用の素材か」 「え、ええ。『誘拐結社』で用意されている、都市伝説無効化素材でございます。都市伝説や契約者が関与した影響を一切無効化してしまいます」 「この檻ん中に引き篭もれば奴らも手が出ないんじゃないっスかね?」 「所詮は檻だ。出入りはできねぇだろうが隙間からの攻撃はされるだろうな。そうなると逆に逃げ場が無い」 まだ幾分かぼんやりしているまぐろを抱き寄せる大を尻目に、あれこれ相談を重ねるサロリアスと梨々 「『ソニー・ビーン一家』のスペックが情報通りなら、倒すのは不可能だ。なんとか逃げる為に包囲を突破するぞ」 「こういう時は地下の下水道とかが逃げ道になるんでしょうけど、そこはあいつらのホームグラウンドみたいっスし。どうしたもんスかねぇ」 ひたり ひたり、と 遠巻きだった気配が近付いてくる 既に『人攫いサーカス』の団員は各個撃破の憂き目に遭い、加工前の食肉となってあちこちに散らばっている サーカス団の敷地内という特殊状況が、食料を確保しての即時撤退という選択をせずに狩りを続行を選ばせたのだ やがて現れたのは、何処にでもいるような西洋人の少年少女 死体から剥ぎ取ったちぐはぐな服と、その手に馴染んだ様々な武器 そしてそれら全てを赤黒く染める返り血が、真っ当な存在でない事を全力で主張していた 「コレデサイゴ」 「ゼンブコロス」 「ソシタラハコブ」 「ニクイッパイ」 「エイヨウイッパイ」 「コドモタクサンツクル」 片言で喋りながら、一人、また一人と人数を増やしていく『ソニー・ビーン一家』の子供達 「社長、あいつら全ての『詰み』までのチェスの棋譜ぐらいもの凄い手広く作戦立ててやがるっス。読んでも伝えてる暇は無いっスよ」 「チェスならまだ可愛いもんだ。将棋だって言われたら自決も考えたな」 まだ冗談を言える余裕があるサロリアスと梨々と、すっかり萎縮してしまっている『人攫いサーカス』の面々 そして大とまぐろは、ここまでの危機的状況に遭遇した事が無い為、逆に落ち着いた様子だった 「俺達は何かできる事はありますか?」 「よくわかんないけど、がんばるよー」 「とにかく自分の身ぐらいは自分で守れ。他人を気遣ってる余裕は無ぇぞ、多分な」 「来るっスよ!」 まるで一つの生命体であるかのように、統制の取れた動きで一行の周囲を取り囲む『ソニー・ビーン一家』の子供達 第一波が一斉に襲い掛かるのと同時に、相手の動きを見て即座に動くべく第二波が身構える 矢継ぎ早に飛び掛ってくる子供達を、それぞれがそれぞれの手段で迎撃し始める一行 サロリアスの拳銃が、梨々の体術が、軽業師の女のナイフが、猛獣使いの男の鞭が、まぐろの腕力が 攻め手を叩き返すものの傷は一切負わせる事は出来ていない 「セメロ、セメタテロ」 「タタカエナイヤツ、マズネラエ」 弾き返された第一波が態勢を立て直すより早く、第二波が飛び出して 今度は大、団長、道化師に狙いを絞って襲い掛かる 「団長は私が!」 「オッケー!」 連携なら負けてはいないと言わんばかりに、即座に立ち位置を修正し迎撃に移る軽業師の女と猛獣使いの男 「契約者は、ちゃんと守るよー」 単純な腕力だけで数人の子供達をまとめて薙ぎ払い叩き落し振り払い投げ付けるまぐろ その理不尽なまでの暴力に、敵も味方も一瞬呆気に取られてしまう 「契約者持ちは違うっスね、やっぱり」 「腕力だけじゃねぇぞ……まあ相手はそれ以上の対応能力があるみてぇだがな」 まぐろの手には、いつの間にかいくつかの眼球が握られている 本来なら抉り取り致命傷を与える能力ではあるのだが、契約により傷付けずただ『奪う』事もできるようになったお陰か 取り外しただけでダメージは与えていないという点から、ルールの隙間を縫うように効果を及ぼせたようだ ただ、敵の動きに全く変化は無い 子供達は作戦指示により視覚など無くても問題無く動けているのだ 「全員の視力を奪うのは無理か」 「持ちきれないよー」 片手に溢れるほどの眼球は、戦闘の合間に取りこぼして奪い返されている 傷付けないで視力を奪う反面、取り返されれば即座に復活されるというデメリットもあるのだ 「しかし、このままじゃジリ貧だぞ!? 戦力をひっくり返すアテとか無いのかよ!」 負傷の多い猛獣使いの男が泣き言を漏らす 「俺としちゃあ、お前らの数をアテにしてたんだがな。相手がそれ以上で、しかも攻め手に回ってきて、更にお前らを狙ってきたのは想定外だった」 「社長、そんなもん想定できんのは『ラプラスの悪魔』と『ノストラダムスの預言書』を同時にかつ完璧に使いこなせるような化物ぐらいっス」 「もしそんな奴が居たら、さっさと教えとけとぶん殴っておかんとな」 再装填をする気配も無く、ばかすかと拳銃を撃ち続けながらサロリアスは苦々しく呟いた ――― 「へくしっ」 マンションの一室で、パソコンに向かいながらくしゃみをする安芸葉鳥 「誰か僕の噂とかしてる?」 「噂とか気にしてると締め切り間に合わないんじゃない?」 その背後でけらけらと笑う、年齢も容姿も全く認識できない、ただ『友達』という存在感だけを発しているもの 「ねぇねぇ、この都市伝説なら君と相性も良いし、君の出鱈目な容量なら使いこなせると思うんだけどさぁ」 「何度も言うけど、それつまんないから嫌。『バタフライ・エフェクト』だけで充分だよ」 「君が望む『世界の滅び』をすぐに引き起こせるのに」 「僕は結果も好きだけど、過程がもっと好きなの。あとね、この世界そのものを滅ぼしても、それを僕が全て観測できなきゃ意味無いでしょ」 ひらひらと周りを飛び回る一匹の蝶を鬱陶しそうに追い払う 「というわけで、君が言う通り締め切りがやばいので今日はお帰り下さい、『友達』」 「ちぇー。でもまた来るよー、この『胡蝶の夢』の契約者になれそうな人、やっと見つけたんだから」 そう言って、ひらひらと舞う『胡蝶の夢』と共に姿と気配を消す『友達』 「全くもう……ドミノを台ごとひっくり返すような事の何が楽しいのやら。ちゃんと一つ一つ丁寧に並べて、色々な牌をたっぷりと巻き込み縦横無尽に駆け巡って最後まで倒し切るのが良いんじゃないか」 何年も何年も前に仕込んだ一つの蝶の羽ばたき 彼らの存在が暴かれ、様々な土地を渡り歩きこの町に辿り着くように並べたドミノの牌 『ソニー・ビーン一家』をこの町に呼び寄せた男は、昨今の騒動を楽しむ余りに仕事を滞らせ苦境に陥っているのであった もっともそれを苦境を呼ぶ事は、『ソニー・ビーン一家』の被害者達に比べれば余りにも些細な事ではあったのだが 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2840.html
【種別】 都市伝説 【初出】 とある科学の超電磁砲 PSPゲーム版 第二章 【解説】 学園都市の一部で噂されている都市伝説。 曰く、 学園都市の街中に、赤い塗装の警備ロボットが現れる。 そのロボットは所属も形式も不明で、夜中に突然現れて人を襲うらしい。 襲撃の理由は不明で、バグで暴走したとも、開発会社が密かにテストしてるとも言われている。 そのボディが赤いのは、被害者の血を浴びたかららしい。 『制裁指導』の行動を予測する為に情報を集めていた御坂美琴が、 第一五学区の街中で拾ってきた都市伝説の一つ。 しかし、結局『制裁指導』とはあまり関係が無かった。
https://w.atwiki.jp/y1379y77319/pages/78.html
サクリファイス 攻:ACE 命:S 回:1 EN 300 効果:機体損壊、一撃大破
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/2378.html
■サクリファイス(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、自分の他のクリーチャーを好きな数選んで破壊してもよい。そうした場合、破壊したクリーチャー1体につき、次のSR能力を使用する) 作者:ぐりぐら 備考